新型コロナウイルス感染拡大に収束の目途が立たないまま、今年度も新学期早々から解剖学実習が始まりましたが、これまでの知見を踏まえた感染症対策のもと、大きな支障もなく無事履修することができました。
また、コロナ禍により令和2年度、3年度と学生が主体となって運営する遺骨返還式はできないままで参りましたが、今年度は感染対策に充分に配慮した進行要領のもと、実に3年ぶりに開催することができました。これにより、解剖学実習を終えたばかりの学生たちが、直接ご遺族と向き合い、感謝の気持ちを伝える機会を創出することができました。
令和4年12月1日(木)午後2時。
仙台国際センター《大ホール》にて、令和4年度東北大学・東北医科薬科大学合同遺骨返還式が始まりました。

式典の冒頭、ゆっくりと緞帳が上がったステージに現れた整然と並んだご遺骨は、いずれも誇らしげで、言うなれば「献体の卒業式」のように晴れがましい光景でした。
今年度ご返還の対象となりましたご遺骨は99柱でしたが、当日は79組のご遺族が参列され、ご遺骨の返還ならびに文部科学大臣からの感謝状の伝達を受けられました。

式典では、受け付けからお見送りまで、ご遺族ごとに1名の学生がご案内役を担当させていただきましたが、後日、多くのご遺族から「学生さんとの対話がとても心に残りました」との感想を頂戴することができ、涙の中にも心あたたまる良い式典となりました。
篤志献体という人生最後の社会貢献を選択いただきました成願会員の皆様ならびに深いご理解とご協力をお示しくださいましたご親族の皆様に、改めまして心からの感謝を申し上げます