今年度の解剖学実習は、昨年度来の新型コロナウイルス感染拡大に対応した授業の経験を踏まえ、2大学3学部で大きな混乱もなく無事修了することができました。
しかしながら、例年のようにご遺族と学生が一堂に会する合同遺骨返還式は感染拡大防止の観点から、今年度も中止とせざるを得なくなりました。これにより、解剖学実習を終えたばかりの学生たちが、直接ご遺族と向き合い、感謝の気持ちを伝える機会が失われしまうことになりましたが、感染拡大第5波が収束に向かうなか、学生とご遺族の接触機会が多い遺骨返還式は慎重に考慮すべしとの判断で取り得た最善の策であったことを何卒ご理解いただきますと共に心よりお詫び申し上げます。
今年度ご返還の対象となりましたご遺骨は96柱でした。
ご遺族様には、事前に返還方法について確認をとらせていただき、そのご意向に沿った形で順次お返しをさせていただいております。
10月に入り、コロナウイルス感染者数もかなり落ち着きをみせてきたこともあり、当会事務局にお迎えにおいでになるご遺族が昨年度に比べて多くいらっしゃいます。長い間、お帰りを待ちわびていたご遺族との対面に立ち会わせていただき、事務局としても安心と同時に胸の熱くなる日々が続きます。
また、今年度も成願会員様への慰霊の気持ちとご遺族様への感謝の気持ちをお届けすべく《追悼のしおり 還 》を作成し、ご遺族様へお届けいたしました。