
令和元年11月21日(木)午前10時より、仙台国際センター大ホールにおいて、令和元年度東北大学・東北医科薬科大学合同遺骨返還式が執り行われました。
今年度、返還の対象となりましたご遺骨114体のうち、当日は91体のご遺骨が八重樫東北大学医学部長、佐々木東北大学歯学部長、福田東北医科薬科大学医学部長の手を介し、文部科学大臣からの感謝状と共にご遺族の元にお返しされました。
ご遺族のなかには、この日を迎えるまでの間、「ここに来ると父の近くに来られた気がします」と何度も事務局にお越しになる方もおいででした。皆様、どれほどの思いで待たれたことでしょう。
遺骨返還式は、解剖学実習を終えた東北大学医学部医学科・東北大学歯学部・東北医科薬科大学医学部の2年生、計317名が、直接ご遺族と向き合い、感謝の気持ちをお伝えすることを目的とし、駐車場案内に始まり、受付、ご遺族のエスコート、司会、ご遺骨の包装などあらゆる場面で学生が中心となって運営させていただく式典です。
多忙な学業の合間を縫っての前日リハーサルは、必ずしも万端とはいえず、不手際も多々あったかとは思います。また、受付スペースでは昨年度よりも私語が目立ち、ご来場の皆様にはご不快な思いをさせてしまいましたことを、この場をお借りしてお詫び申し上げます。
一方で、式典での学生たちの真摯な姿勢は、多くのご遺族に感銘を与えたようでした。
そのようなご遺族の声を、いくつかご紹介いたします。
「初対面の挨拶から見送りまで、ずっと同じ学生にお世話され、安心でした」「遺族代表の挨拶を終えて席にもどったとき、感動して胸が熱くなりましたと感想を述べられ、引き受けてよかったと安堵しました」
「遺骨って重いのですね。その遺骨をずっと抱えてくださって感謝いたします」
《心ある医療人に育ってほしい》
白菊会会員のこのような願いが、医学生たちの心に既に芽生えていることを十分に感じることのできた式典でした。