例年、新学期の始まりと共に始まるのが東北大学および東北医科薬科大学の医学部、そして東北大学歯学部の各2学年に在籍する学生約300名による解剖学実習ですが、今春は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で5月末現在、どの学部もオンライン授業を余儀なくされており、対面授業となる実習は東北大学医学部が例年の2か月遅れの6月上旬から、同大歯学部は7月第2週目から、東北医科薬科大学医学部は後期の予定となっております。
既に3月の時点で、当会役員が3学部に出向く対面型のガイダンスの実施は危ぶまれていたため、当会では解剖学教授の皆様からのご要望を受け、オンライン授業でも対応可能なビデオメッセージの収録を行っておりました。
4月20日、東北大学では一斉にオンライン授業を開始し、医学部でも1限目にビデオメッセージを配信することになりました。会場となった1号館大講義室には器官解剖学分野の大和田教授をはじめとしたスタッフのほか、自宅がインターネット環境にない学生数名が着席し、授業は開始されました。初日だったこともあり、画面の向こうの学生130名余との接続は決して容易なことではなかったと思われますが、濱田淑子常任理事、安川一理事、松木英敏理事3名のビデオメッセージは無事送信できました。

90分の講義の後、さっそく受講した学生からの感想が当会にも届けられました。寄せられました膨大な感想のなかのひとつをご紹介いたします。
「3人の役員の方のお話を伺い、私達医学生にどんな気持ちでお体を提供してくださるのか、それぞれの思いを知ることができたと思います。濱田さんは患者として医療スタッフと関わり、少しでも医学の為になればと考えてくださいました。安川さんは外国人技能実習生と関わっている立場から、社会的弱者を支える重要性を感じ、その思いを伝えて下さいました。松木さんは医工学に携わった研究者として医療の進歩と発展を願う気持ち伝えてくださいました。それぞれみなさん、全く違う背景から献体を志されていることを知らされました。
解剖実習の際、私達学生はご献体された方と言葉を交わすことはできません。が、そのお体はただの臓器の集まりではなく、一人の人間の一生が詰まった尊い魂であると理解し向き合うことはできると思います。ご献体と向き合う日が来たとき、私は医学の為にという信念を忘れず実習に励みたいと思います。」
解剖実習の際、私達学生はご献体された方と言葉を交わすことはできません。が、そのお体はただの臓器の集まりではなく、一人の人間の一生が詰まった尊い魂であると理解し向き合うことはできると思います。ご献体と向き合う日が来たとき、私は医学の為にという信念を忘れず実習に励みたいと思います。」